ホラーストーリー 体育館の呻き声 前篇

続きです。

私、室町愛海が劇団へ入団してから数日たったある日の事です。

室町愛海「(練習を続けてる途中)???????????????」

突然、私の耳から男性の声らしきものが聞こえてきたのです。

夏木綾香「?室町さん、どうかしたのですか?」
室町愛海「!いいえ、何度も有りません!・・・???」

その時、副団長の夏木さんは何か不安そうな顔をしていた。
しばらくして、声らしきものは聞こえなくなり、体育館へ出るとなんだかほっとしたような感じがしたのです。

しかし、私に聞こえてくる声は日がたつにつれ段々大きくなっていき、それが呻き声だという事がわかったのです。
私は恐怖のあまり怖くなってしまいました。
さらにその呻き声は私のほかに何人かの人たちにも聞こえてきたのです。

夏木先生も不安な表情を隠せずにはいられなくなってしまったのです。

私は家に帰ってすぐに霊感の強いクラスメイト、市原ミサキ(いちはら みさき)さんにこの事をパソコンのメールで送りました。

翌日、私は弟と共にいつものように町はずれの体育館へ足を運んだ。

そして、朝礼で市原さんが入団した。
しかし、どういうわけか、彼女の顔色が悪いのです。
紹介が終ったあと、いつものように劇の練習に励んだ。

休憩中、市原さんは私を呼んで誰もいない所へ連れてこう言いました。

市原ミサキ「ここの体育館、出た方が良い・・・」
室町愛海「え?」
市原ミサキ「この体育館は、今までで一番凄い・・・」
室町愛海「・・・どういう事ですか?」
市原ミサキ「早く出た方が良い、早い方が良い!!・・・そうじゃないと、とんでもない事になるわ・・・」
室町愛海「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

翌日、市原さんは体調不良で学校と劇を休んだ。
市原さんだけでなく、若林さんや川瀬くんを始めとする十何人かの団員達が休んでしまった。

いつものように劇の前半が終わり、休憩中に松崎くんがCDラジカセにスイッチを入れ、音楽を聴き始めた。

その時、突然CDラジカセからあの呻き声が聞こえてきたのです。
そしてその呻き声が何を言ってるのかがはっきりとわかってきた。



























??????「・・・・・・た・・・すけ・・・て・・・くれ~・・・・・・・・・」




























これを聞いた団員達はパニックを起こし、騒ぎ始めた。

柏原幸治「お前達何やってんだ!?!?!?!?!?」
夏木綾香「何の騒ぎですか!?!?!?!?」
鮎川聡美「あ、団長!副団長!実は・・・・・・」
西嶋小春「!?!?!?!?・・・どうしたの!?!?!?」

振り返ると、弟の優が腹部を抱え、苦しんでいた。

室町愛海「どうしたの?優!」
室町優「・・・お腹、痛い・・・・・・(真っ青)」
室町愛海「(右手のひらを優の額に当てて)・・・凄い熱・・・」
夏木綾香「私は親御さんに連絡するわ、あなた達は室町くんをお願い!!」

数分後、私の親が駆けつけて優を家へ連れて帰った。

その直後・・・

東山和江「どうしたの!?しっかりして!!」

私は声のした方へ戻ると、そこには真っ青で倒れてる黒沢くんがいた。

室町愛海「どうしたのですか?」
東山和江「分からない、急に倒れちゃって!」

私はますます気味が悪くなってしまった。

次の日も相変わらず劇の稽古をやっていたが、その日来た団員は私の含めほんのわずかだった。
その日、何らかの事情で終わるのが遅くなってしまい、変える頃にはもうすっかり暗くなってしまった。

夏木綾香「皆さん、今日はいつもより遅くなってしまいましたが、今日はまっすぐ帰るように!あと、早くこの体育館から急いで出るのです!それともう一つ、明日の稽古はお休みとします!」

私達は言われるがまま、更衣室へ行って急いで帰る支度をした。
私は帰る支度をしてる途中、昨夜私を呼びながら泣きじゃくる優の顔を思い出した。
あのとき、優は私に何かを伝えたかったらしい。

その時玄関には石田くんや西嶋さんが居た。
私は他の人より、支度が遅かったため、体育館にいたのは私達三人だけだった。

西嶋小春「さ、早く帰ろう!!」
石田瑞樹「俺も今日習い事休みだったから、運よくまっすぐ帰れるってことだ」

私と西嶋さんと石田君は偶然にも帰り道が全く一緒だったので心細くは無かった。

室町愛海「さ、早く帰りましょう!」

その時です。




























??????「人が助けを求めているのに、勝手に置いて出て行くな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





























室町愛海&西嶋小春「きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
石田瑞樹「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

突然どこからか聞こえた怒鳴り声に驚き、私たちは逃げるかのように急いで帰った。
あの時、居たのは私達三人だけだったのに、どこでなぜ聞こえたのかは全く分からなかった。

それ以来、あの体育館には近づかなくなった。

その翌日、次の稽古場は新しく建てられた近くの体育館へと移るという連絡網があった。

後で聞いた話ですが、何十年も前、ある金持ちの一家が、遺産の相続争いらしきトラブルでその家の1人使用人がどさくさにまぎれ家族を殺し、全財産を持ち出して家を焼き払ったという。
遺体は全焼した建物ごと放置され、数十年後(今から十年前)何も知らずに体育館が建てられた。
つまり、遺体はそのまま埋められてしまったというのです。
最初は何もなかったのですが、近年その体育館に入ると何人かの人たちが頭痛やめまい、体調不良になってしまったという。
現在、その体育館はどうなったかは誰も知らない。

終わり。





あとがき
この物語はフィクションです。
登場人物および団体名は一切関係ありません。

なぜってこれは一昨日自身が見た怖い夢ですので(←オイ!!!!!)